【電気通信設備工事共通仕様書 第7節】
1. 導波管の基本構造と施工要点
- 導波管は、マイクロ波多重無線設備における重要な給電線である。
- フランジ接続、防湿処置、可とう性対応、引込・支持など、細部に渡って高精度な施工が求められる。
【施工上の基本事項】
項目 | 内容 |
---|---|
フランジ接続 | ノックピン等によりズレを防止し、真ちゅう製またはステンレス製の結合ねじを使用する。 |
フランジ加工 | 現地加工は最小限に留め、加工時には切断面の平滑化、フランジ面の平面確保、ろう付け後の清掃を必須とする。 |
可とう対応 | 空中線の振動吸収・熱収縮対応・角度補正には、可とう導波管やフレキシブル導波管を用いる。 |
長尺可とう導波管の使用範囲 | 空中線〜気密窓導波管までの範囲で使用する。 |
2. 防湿・気密対策
【気密導波管の区分と処置】
区間 | 導波管の種類 |
---|---|
通信機~気密窓導波管 | 非気導波管 |
気密窓導波管~空中線間 | 気密形またはチョーク気密形導波管 |
通信機械室内の引込口付近 | 導波管内の防湿のため、乾燥空気充填用及び気密試験用として、 気密窓導波管(乾燥空気充填・気密試験用) |
3. 屋内引込・防水処置
- 引込時には適合する引込口金具を使用し、雨水浸入防止処置を行う
- 引込部に空洞が生じないよう、内壁・外壁に引込金具を適切に設置する
- 必要に応じて接地工事を施す(特にメタリック系導波管に対して)
4. 支持間隔・取付金具
【支持間隔の基準】
周波数帯域 | 支持間隔 |
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6.5GHz / 7.5GHz帯 | 1.5m以下 |
12GHz帯 | 1.0m以下 |
フレキシブル導波管との接続部(方形側) | 0.3m以内 |
【その他の施工条件】
- 支持金具・ボルト類が鋼製の場合は、溶融亜鉛めっきまたはステンレス製を使用する。
- 導波管は交差しないよう、計画的な配線設計を行うこと。
5. 曲げ・配線制約
- 導波管の最小曲げ半径は、製造者規格に従う(過度な曲げは禁止)。
- 配線時には導波管の交差は禁止。曲げが必要な場合は、可とう部材を活用して柔軟に対応する。
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