敷設・配線方法
- 弱電流電線と接近、又は交差する場合は、接触させずに敷設する(誘導・絶縁対策)
- 低圧電線と交差時は、難燃性の絶縁管などを使い接触を回避する
- 屋内敷設では、ケーブルのたるみを避けるが、張りすぎもNG(被覆損傷・引張応力を避ける)
- 固定には適合する取付金具で固定する。この場合の固定間隔は、0.5m以下とする
- 支持点間隔は、水平敷設で60~80cm、垂直で40~60cmが目安
- 天井裏・床下・屋外では、難燃性・耐候性を考慮した材料と施工が必要
曲げ処理と物理的保護
【ケーブル種類別の固定時曲げ半径】
内容 | 基準・条件 |
---|---|
敷設時の許容曲げ半径 | ケーブル外径の10倍以上 |
固定時の許容曲げ半径 | ケーブル外径の4倍以上(※以下に詳細) |
ケーブル種別 | 例 | 固定時曲げ半径 |
---|---|---|
網組系 | 5C-2V等 | 4倍以上 |
ラミネートシース形 | S-5C-FB等 | 6倍以上 |
アルミパイプ形 | PSACOV-8C等 | 10倍以上 |
- 小さな曲げは、インピーダンス変化やノイズの原因となる
- 出入口や端末では、機械的ストレスを避ける施工が求められる
- 曲げ位置にテンションが集中しないように、緩やかなカーブを設ける
接続と端末処理
- ケーブル種類に応じたコネクタを選定する
- 屋外では、防水形コネクタに加えて、防水処理(自己融着テープ、ブチルゴムテープなど)を施す
- シールド接続を確実に行い、シールドの連続性を保つことでノイズ防止とする
- 終端には終端抵抗を設置し、反射防止と安定伝送を図る
- 接続部には、防水キャップや防水ボックスを設けて腐食を防止
- 接続後は、絶縁抵抗試験や導通確認を実施するのが望ましい
適合ケーブル選定
項目 | 内容 |
---|---|
放送対応 | S-5C-FB:低損失・高遮蔽 → 4K8K衛星放送対応 |
不適例 | 3C-2V:高周波(〜3224MHz)には不適 |
選定基準 | 通信方式、伝送距離、使用周波数を踏まえた損失・遮蔽性能のバランスが重要 |
現場条件 | 屋内/屋外、長距離/短距離など環境条件に応じた選定 |
特記事項 | NTT設備では、局間・構内でケーブル種別・規格が指定される場合あり |
シールドと接地処理
- シールド付きケーブルは、原則として片側接地(アースループ防止)
- 接地は機器側または主装置側で一括して実施
- 両端接地は誘導障害やノイズ混入の原因になるため避ける
- 接地抵抗値の確認も重要(設置基準に従う)
保守・品質確認
- 施工後は、絶縁抵抗・導通・接続状態の点検を行う
- 必要に応じて、TDR(反射測定器)で断線・異常接続の有無を確認
- 長距離・高周波用途では、VSWR・伝送損失・インピーダンス測定も実施
- 劣化兆候(被覆ひび割れ・シールド腐食)に対する定期点検が望ましい
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